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書評のブログ。

スポーツ

【書評】「シドニー! ワラビー熱血篇」(村上春樹)を読んでの感想

"シドニー コアラ純情篇"に続く一冊ですね。シドニーオリンピック後半を取材した内容が書かれています。 オリンピックの日程が進んだことと、村上さんのオーストラリアでの生活が慣れてきたことで、コアラ純情篇とは雰囲気が違っているように思えました。 事…

【書評】「誇り ドラガン・ストイコビッチの軌跡」(木村元彦)を読んでの感想

はじめに サッカーユーゴスラビア代表の名手であった、ドラガン・ストイコビッチについて書かれたノンフィクションです。活躍された選手だったことはよく知っていたのですが、詳しい経歴は知りませんでした。彼のプロサッカー選手として辿ってきたキャリアは…

【書評】「シドニー コアラ純情篇」(村上春樹)を読んでの感想

はじめに 村上春樹さんが2000年に開催されたシドニー・オリンピックについて書いた作品です。取材した日々のできごとを日誌のような形式で書いています。それ故、競技に入り込み過ぎることなく、客観的に軽い感じで書かれた印象。まあ、そうはいっても、選手…

【書評】「蹴る群れ」(木村元彦)を読んでの感想

世界中のサッカーに携わる人物について書かれたノンフィクションです。今でも名前を聞くことのある選手も出てきますし、歴史的な人物への取材のお話もあります。 サッカーを通して社会のリアルな状況を伝えています。取材の踏み込み方が深く、他のスポーツ・…

【書評】「オリンピア1996 冠<廃墟の光>」(沢木耕太郎)読んでの感想

はじめに 1996年に開催されたアトランタオリンピックを取材したノンフィクション作品です。旅行記であり、スポーツ観戦記です。オリンピックの歴史を掘り下げ、歴史の中でのアトランタオリンピックの位置づけが見えてきます。観戦に関しては、一日ごとの日記…

【書評】「雨(沢木耕太郎ノンフィクション 9 酒杯を乾して)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

F1レーサー、ニキ・ラウダを追ったノンフィクションの作品です。1976年に日本で初めて開催されたF1グランプリを描いたものです。その年のF1グランプリのレース中に大けがを負ったラウダ。驚異のスピードで復帰し年間1位を目指します。ラウダにとっては、ほぼ…

【書評】「杯(カップ)(沢木耕太郎ノンフィクション 9 酒杯を乾して)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに サッカーのワールドカップと旅について書かれた作品です。取材されているのは、日韓ワールドカップ。日本と韓国を往復し、感じたことが書かれています。サッカーだけでなく、人との出会い、社会への洞察が描かれています。一緒に旅しているような感…

【書評】「像が飛んだ(沢木耕太郎ノンフィクション 9 酒杯を乾して)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに ジョージ・フォアマンが42歳でボクシングにカムバックした際のスポーツノンフィクションです。じっくりと時間をかけて、タイトルマッチに挑む姿が印象的です。 対戦するイベンダー・ホリフィールドの雰囲気も合わさって、浮ついたところのない試合…

【書評】「オリンピア ナチスの森で」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに 1936年に開催されたベルリンオリンピックを描いたノンフィクションです。競技のみでなく、歴史、科学技術、そしてオリンピックを記録した映画の監督、レニ・リーフェンシュタールについても書かれています。総合的にベルリンオリンピックを書いてい…

【書評】「たった一人のオリンピック(スローカーブを、もう一球)」(山際淳司)を読んでの感想

はじめに 山際淳司さんが書かれたスポーツノンフィクションの作品です。モスクワオリンピックを目指していたボートの選手について書かれたものです。 目次 はじめに 目次 キーワード3選 欲 対極 書く技術 印象に残った文章 おわりに キーワード3選 欲 本作品…

【書評】「ジム(王の闇)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに ボクサーであった大場政夫さんについて書かれた作品です。彼は、世界フライ級チャンピオンだった23歳の時に、交通事故で亡くなっています。その足跡を、所属ジムで世話をしていた長野ハルさんの視点を中心に描いた作品になります。 目次 はじめに …

【書評】「センチメンタル・ジャーニー(路上の視野Ⅰ 紙のライオン)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに ベルリンオリンピックの時代にボートレースに出場した選手の方について書かれた作品です。インタビューされた内容を元にした構成となっています。練習として参加したロンドンでのレースや、レースの舞台裏も描かれています。 目次 はじめに 目次 キ…

【書評】「視ることの魔(路上の視野Ⅰ 紙のライオン)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

沢木耕太郎さんがスポーツの視方、そして、取材論について書いている作品です。特に若い方が読むと、スポーツの楽しみ方を知ることができて、プラスになるのではないでしょうか。 スポーツの楽しみ方を知りたければ、読むといい作品だと思います。思い込むこ…

【書評】「ドランカー<酔いどれ>(敗れざる者たち)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに 1975年、元ボクサーの輪島功一さんが当時のWBAジュニアミドル級世界チャンピオン、柳済斗さんと戦ったタイトルマッチについて取材されたノンフィクション作品です。 目次 はじめに 目次 全体の感想 キーワード3選 減量 プロ したたかさ 印象に残っ…

【書評】「夢見た空(像が空をⅡ 不思議の果実)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに 本作品は、1984年のロサンゼルスオリンピックについて書かれたものです。当時は冷戦下で、社会情勢も合わせて描かれています。冷戦であったことを鮮明に表しているのは、東側諸国のボイコットです。沢木さんは、不参加を決めたソ連の首都モスクワ、…

【書評】「王であれ、道化であれ(王の闇)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに 本作品は、モハメド・アリとジョー・フレイジャーについて書かれたものです。モハメド・アリはレオン・スピンクスとのタイトルマッチに挑戦者として、臨もうとしています。(1978年9月)かつてヘビー級の王座を争ったジョー・フレイジャーがその時…

【書評】「クレイになれなかった男(敗れざる者たち)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに 沢木さんが20代の頃に書かれたボクシングに関するノンフィクション作品です。ボクシングの歴史と裏側、そして魅力を伝える1篇となっています。同時に、沢木さんのボクシング観も読み取れます。 この作品は、カシアス内藤さんの韓国での試合を取材し…

【書評】「持てる者と持たざる者と(象が空をⅡ 不思議の果実)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに この1篇は、競輪の新人選手向けの講演を文章化した形となっています。語りかける様な文章なんですね。講演の内容を読めるというのは、貴重なのではないかなと思います。エッセイ集の中で文体が急に変わって、驚いた思い出があります。少し、異色な1…

【書評】「君は決して一人じゃない(後藤正治ノンフィクション第9巻)」(後藤正治)を読んでの感想

はじめに この作品は、1960年代のイングランドのフットボールとビートルズを中心にして、イングランドのフットボールの魅力について書かれたものです。 1960年代という年代は、イングランド社会で、フットボールと音楽が同時に盛り上がっていたことが分かり…

【書評】「イシノヒカル、お前は走った!(敗れざる者たち)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに 「イシノヒカル、お前は走った!」は「敗れざる者たち」に所収されているスポーツ・ノンフィクションの1篇です。競馬を取り扱った作品となっています。沢木耕太郎さんが、ダービーを目前にした厩舎に住み込んで取材して書かれています。厩舎には有…

【書評】「フットボールの犬」(宇都宮徹壱)を読んでの感想

はじめに 本書は、ヨーロッパのサッカー(フットボール)についての本です。主に2000年代のヨーロッパのサッカーシーンが分かる内容になっています。 宇都宮さんはワールドカップやEUROなどの大きな大会の記事も書かれています。本書を知ったきっかけはそち…

【書評】「遅咲き(後藤正治ノンフィクション集 第10巻)」(後藤正治)を読んでの感想

はじめに 仰木彬さんについて書かれたノンフィクションです。イチロー選手が在籍していた頃の、オリックス・ブルーウェーブの監督というイメージではないでしょうか。本作品では、仰木さんの生い立ちから、晩年までの来歴が丁寧に書かれています。登場する方…

【書評】「江夏の21球」(スローカーブを、もう一球)(山際淳司)を読んでの感想

はじめに 有名なスポーツ・ノンフィクションの作品です。 著者の山際淳司さんはスポーツノンフィクションで有名なライターの方です。「スローカーブをもう一球」には他にも読みごたえのある作品が入っています。 沢木耕太郎さんの作品や、後藤正治さんの作品…