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書評のブログ。

【書評】「アメリカ素描」(司馬遼太郎)を読んでの感想

はじめに 司馬遼太郎さんがアメリカを訪ねた際に書かれた、アメリカについての文章です。旅行記でもあるし、アメリカの社会の論評でもある。約40年前の内容なので、今とは違う面も多いとは思いますが、アメリカ社会の実態が伝わってくるものとなっています。…

【書評】「雨のハノイ(沢木耕太郎ノンフィクション 4 オン・ザ・ボーダー)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに 沢木耕太郎さんのベトナムを訪ねた際の旅行記。年齢を重ねてからの旅行になっています。いろいろな経験を経ての旅なので落ち着いていますね。沢木さんが書いてきた文章が散りばめられていて、文章の世界が表れてくると一気にその雰囲気にくるまれま…

【書評】「キャパのパリ、あるいは長い一日(沢木耕太郎ノンフィクション 4 オン・ザ・ボーダー)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに 沢木耕太郎さんがパリを訪れた時の旅行記です。当時、ロバート・キャパの本の翻訳が終わったタイミングだったそうです。タイトルの通り、キャパとパリのつながりが書かれています。パリの雰囲気が伝わってくる文章となっています。華やかな印象もあ…

【書評】「杯(カップ)(沢木耕太郎ノンフィクション 9 酒杯を乾して)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに サッカーのワールドカップと旅について書かれた作品です。取材されているのは、日韓ワールドカップ。日本と韓国を往復し、感じたことが書かれています。サッカーだけでなく、人との出会い、社会への洞察が描かれています。一緒に旅しているような感…

【書評】「ステーキを下町で」(平松洋子)を読んでの感想

はじめに 平松洋子さんの旅とおいしいものについて書かれたエッセイです。食材とお店にフォーカスされています。 文章と合わせて載っている谷口ジローさんの漫画でお店と料理の雰囲気が描かれています。雰囲気が伝わってきていいんですね。 文章と漫画が相ま…

【書評】「ニッポン線路つたい歩き」(久住昌之)を読んでの感想

はじめに 久住昌之さんの紀行エッセイです。タイトルの通り、線路をつたって歩く旅となっています。 移動手段が徒歩のため、描かれる距離は短いんですね。じっくりと歩いて時間を過ごすことで、見える風景を久住さんらしい視点で書かれています。明確な目的…

【書評】「旅人の表現術」(角幡唯介)を読んでの感想

はじめに 探検家の角幡唯介さんが様々な媒体で書かれた文章を集めた本です。探検を書かれた本ではなく、山登りを中心にかかれた文章を中心に対談が入ってくるような構成で、多くのテーマが包含されています。 一番の感想としては、角幡さんが書いた探検の本…

【書評】「ラオスにいったい何があるというんですか?」(村上春樹)を読んでの感想

はじめに 村上春樹さんの旅行記がまとまった本です。旅先は国内から外国まで様々です。 一つ一つが短くまとまっていて、読みやすいですね。 この本のテーマの一つは、再訪と再会だと思います。一度、住んだ場所を訪れたり、旧知の知り合いと旅をする。2回目…

【書評】「遠い太鼓」(村上春樹)を読んでの感想

はじめに 村上春樹さんが1980年代後半にヨーロッパに滞在していた時に書かれた旅行記です。当時書いていた小説として、「ノルウェイの森」、「ダンス・ダンス・ダンス」が出てきます。小説を書いていた時期の心境を知ると、やっぱり読んでみたくなりますね。…

【書評】「贅沢な旅(貧乏だけど贅沢)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに 本作品は、沢木耕太郎さんと阿川弘之さんが旅について語り合った対談です。深夜特急がきっかけとなった対談であり、お二人の旅の捉え方を知ることができると思います。 目次 はじめに 目次 キーワード3選 船旅 贅沢 深夜特急 印象に残った文章 おわ…

【書評】「記憶と資料(像が空をⅢ 勉強はそれからだ)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに ノンフィクションについての考察が書かれた1篇です。「少年少女のためのノンフィクション論」と副題がついており、若い人に呼びかける形式で書かれています。まだノンフィクションを読んだことのない人への読書案内といった雰囲気もあると思います…

【書評】「「小さな旅」(眠る盃)」(向田邦子)を読んでの感想

はじめに 本作品は、向田邦子さんのエッセイ集「眠る盃」に収められている一編です。 目次 はじめに 目次 全体の感想 印象に残った文章3選 1.'...やはり緑の色も違っているわ、と自分に言い聞かせる。' 2.'トランプのカードを切るように、四角い景色が、窓の…