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書評のブログ。

【書評】「岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。」(ほぼ日刊イトイ新聞)を読んでの感想

はじめに

本書は、HAL研究所代表取締役任天堂代表取締役社長であった岩田聡さんについて書かれたものです。
基本的には、岩田さんが「ほぼ日刊イトイ新聞」上で話された言葉や、インタビュー記事等をまとめたものとなっています。
糸井重里さん、宮本茂さんによる岩田さんについての文章もあります。
岩田さんという人物を多角的に知ることができる本であると言えます。

目次

全体の感想

私の一読後の感想は、"プログラマーに読んでほしい本だ"というものです。
岩田さんは、先述のとおり多方面で活躍されていた方です。
活躍の場の一つしてプログラマーとしてのゲーム開発があります。
凄腕のプログラマーがどういう姿勢で開発したのかということを学べると思ったのです。

しかし、改めて読み返すと、プログラマーだけでなく、ビジネスマン全般にとって学びが得られる本であるとも思えました。
岩田さんの活躍された場面全般からの学びがあると思ったのです。

岩田さんの紹介

岩田さんは経営者であったのみだけなく、ゲームの開発者として「Mother2」や「大乱闘スマッシュブラザーズ」に携わった方です。

元々、ゲーム開発者だったそうです。ゲームの開発だけでなく、経営でもその手腕を発揮された方なんですね。
経歴に関して書き始めると、本題に入れないくらいのすごい経歴となっています。

キーワード3選

私が思う本書のキーワードは、以下の3つです。

  1. スマッシュブラザーズ
  2. 面談
  3. 経営

1.スマッシュブラザーズ

岩田さんはスマッシュブラザーズの開発に携わった方ということで有名です。
開発の際の有名な逸話も残っています。
プログラマーとしての岩田さんを知るなら、スマッシュブラザーズの逸話は避けて通れません。
この箇所だけでも、ぜひ読んで欲しいですね。

2.面談

HAL研究所の社長であった頃に、半年に一度、全員と面談をしたそうです。
会社としての方向性を社員共通の認識とするために面談を行ったと書かれていました。
岩田さんが面談で意図したことは、「話すことで、その人を理解する」ということです。
社員を理解することが、会社を導く上で重要なことだと岩田さんは考えていたようです。
確かに、社員の立場で理解されると、やりがいにつながると思いました。

3.経営

経営者として大変な時期があったことも、本書内では語られています。
淡々と書かれてはいますが、精神的な強さが求められたことは想像に難くありません。
経営に関するエピソードからは、ビジネスマンとして学べることが多いと思いました。
会社の経営の複雑な問題を考えるにあたって、プログラミングの経験が生きているという箇所があります。
理詰めでものごとを考えることの有用性を学べたと思います。

印象に残った文章

それが合理的なら、さっさと覚悟を決める。

> 「岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。」(ほぼ日刊イトイ新聞)より引用

合理性を最優先に考えることが大事なのだということですね。
本書の文脈とはずれてしまうのですが、私の捉え方としては、
生活全般のことにも当てはまることではないかと思うのです。
覚えておきたい言葉です。

おわりに

読み返すと、良いところ、学べるところ、覚えておきたいところがたくさん書かれている本です。
キーワードとしては挙げていないけれど、印象的な部分がたくさんあります。
ページをめくるたびに、良い言葉がでてくるような気さえしてきます。
本当に良い本だな、と。
何度も読み返したい本です。