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【書評】「「小さな旅」(眠る盃)」(向田邦子)を読んでの感想

はじめに

本作品は、向田邦子さんのエッセイ集「眠る盃」に収められている一編です。

目次

全体の感想

旅行中の表現がとてもいいんです。
文章は短いのですが、とても印象に残るエッセイです。
旅が好きな方に一度は読んでいただきたいです。

印象に残った文章3選

印象に残った文章を3つ、挙げたいと思います。

1.'...やはり緑の色も違っているわ、と自分に言い聞かせる。'

> 「眠る盃」(講談社文庫)より引用

田舎の風景を旅の楽しみにしている心情をあらわした表現です。
一読して、これ分かる、と思いました。
少し無理をして自分に言い聞かせ、気分を上げる経験は多くの人にあると思うのです。
向田さんが同じ感情を書いているというのが、何となくいいな、と。

2.'トランプのカードを切るように、四角い景色が、窓の外で変わってゆく。'

> 「眠る盃」(講談社文庫)より引用

電車の窓から見る景色が頭に浮かぶ表現だと思います。
この1文を読むだけで、電車に乗っている気分が呼び起こされます。

3.'帰り道は旅のお釣りである。'

> 「眠る盃」(講談社文庫)より引用

そうだな、と思います。
お釣りというのがぴったりですね。
旅の帰りの気分的確に言い表しているなと思いました。

おわりに

短い一篇ですが、読後感は気持ちが軽くなります。
旅に出た時の気持ちを思い出させてくれます。
こういったエッセイもいいものだな、と。

ちなみに、「眠る盃」の中では、以下のエッセイも好きです。

  • 字のない葉書
  • 味醂干し
  • 檜の軍艦
  • 娘の詫び状
  • 中野のライオン
  • ツルチック

是非、読んでみてください。

 


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