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【書評】「贅沢な旅(貧乏だけど贅沢)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに

本作品は、沢木耕太郎さんと阿川弘之さんが旅について語り合った対談です。
深夜特急がきっかけとなった対談であり、お二人の旅の捉え方を知ることができると思います。

目次

キーワード3選

船旅

阿川さんがお話される旅として、船旅があります。
沢木さんに船旅を進めるんですね。
一方で、深夜特急の中で沢木さんはバスを移動手段の中心に置いています。
旅の楽しみ方が一つではないことが伝わってきますし、深夜特急とは異なった旅の魅力が語られています。

贅沢

贅沢とはどんなことか、というのもこの作品のテーマになっているのではないかなと思います。
クルーズ船で世界を回る旅がどんなものかを阿川さんが語っています。
多くのお金を持った人々が船の上で過ごす時間。
非常に贅沢ではありますが、どのようなお金の使い方が心を満たすのか、ということについてもお二人は話されています。

深夜特急

この対談を読むと、深夜特急という作品のとらえかたがいくつもみえてくるように思います。
旅の楽しみ方が一つではないという当たり前のことに気づかされます。
お二人が柔らかな語り口で価値観が多様であることを話されています。
対談を読むことで、深夜特急の楽しみ方が広がるとも言えるのはないでしょうか。

印象に残った文章

なかなか贅沢も難しい(笑)。

「貧乏だけど贅沢」(文春文庫)より引用

贅沢について連想した後に出てきた阿川さんの言葉です。
贅沢が難しいというとらえ方がお二人らしいのではないかと思います。
沢木さんの対談では、理想的な贅沢とは何かという考察が語られることが多い印象です。

おわりに

沢木さんの対談はほかにも読み応えのあるものがたくさんあります。
特に旅についての対談は引き込まれると思います。
やはり、深夜特急をはじめとして、多くの旅行記を書かれている沢木さんの旅への思いを知ることができるからだと思います。
ぜひ、深夜特急と合わせて読んで頂きたいです。