Book Review Storage

書評のブログ。

【書評】「死に場所を見つける(貧乏だけど贅沢)」(沢木耕太郎)を読んでの感想


はじめに

沢木耕太郎さんと高倉健さんの対談です。
沢木さんの作品を読む前には、お二人が対談されていることが意外に思えました。
対談についての経緯は、エッセイなどで読むことができます。
沢木さんの作品には、高倉さんのお話が多く出てくるんですね。
お互いを尊敬しあう関係がとても爽やかに思えました。
この対談では、お二人がお互いの仕事を知ろうとしているところが印象に残っています。

目次

キーワード3選

ハワイ

お二人が好きな場所として、ハワイを挙げているんです。
ハワイにについて書かれた文章も沢木さんには割と多いんですね。
少し意外なのですが、興味深くて印象に残っています。

長い灰色の線

高倉さんが対談された当時に観てよかったと語っている映画作品です。
高倉さんのエッセイを読むと、映画作品について書かれているものが出てきます。
感動した気持ちが伝わってくる文章なんですね。
この作品も観てみたくなりました。

外国

高倉さんにとっての外国観というようなものも最後に語られています。
遠く離れた場所への憧れを持っていたんだなと感じました。
お二人とも外国を訪れる機会も多かったと思うのですが、外国への憧れを持ち続けていた高倉さんの言葉が印象的でした。

印象に残った文章

'悲しいのがオーバーということなら、寂しいですね。決して陽気にはなりませんね。'

「貧乏だけど贅沢」(文春文庫)より引用

この一言は高倉さんのものです。
発せられた意味も重要だと思うのですが、語り口が高倉さんならではのものだと思えるんですね。
話している映像が目に浮かぶように感じます。

おわりに

お二人の話を近くで聞いているような感覚になる一遍です。
ずっと聴いていられるように思いました。
内容もいいのは当然だと思うのですが、お二人の語り口が優しいんですね。
お互いへの尊敬が言葉の端々から感じられるし、自分自身のことをしっかりと客観視していることも伝わってきます。
高倉さんの映画作品も観たくなったのを覚えています。
ぜひ、読んで頂きたい対談です。