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書評のブログ。

【書評】「センチメンタル・ジャーニー(路上の視野Ⅰ 紙のライオン)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに

ベルリンオリンピックの時代にボートレースに出場した選手の方について書かれた作品です。
インタビューされた内容を元にした構成となっています。
練習として参加したロンドンでのレースや、レースの舞台裏も描かれています。

目次

 

キーワード3選

ボートレース

ボートレースという競技に馴染みはありませんでした。
描写されるレースから魅力的なスポーツであるように思えました。

スポーツ草創期

何でも同じだと思うのですが、ある分野の草創期に関わった人達には大変な苦労があったということが分かります。
草創期ならではの、本場であるヨーロッパとの格差や、日本ならではの工夫も興味深かったです。

タイトル

全編、読み終わってからタイトルを見返すとさらに味わい深いなと思いますね。
若い時代をどこか客観的に観て、味わっている、そんな雰囲気を感じました。
40年以上経ってから、レースに参加したロンドンにメンバーと一緒に向かうということに関して、曇りなく肯定できているところが、清々しいな、と。

おわりに

ベルリンオリンピックの開催は1936年のことですから、80年以上前の話なんですね。
取材の時点で古い話という言葉が出てきますから、とても昔の出来事なんだと感じさせられます。
このインタビュー自体に歴史的な価値があるのではないでしょうか。

オリンピックのスポーツ草創期のエピソードとしてたのしめる一遍だと思います。