はじめに
古代中国の商から周への革命の時代を書いた小説です。
主人公は有名な太公望(本作品では望とされています。)です。
とてもボリュームのある本ですが、ぐいぐいと読み進めることができました。
読む推進力のようなものが滞ることはなかったように思います。
目次
キーワード3選
冒険
物語の冒頭から始まる冒険に気持ちを持っていかれます。
ストーリーがダイナミックに移っていくのは読み進めるのが楽しいです。
望の成長が神秘的な雰囲気を伴って、語られていきます。
最初の辛い境遇からどんどん成長し、強くなっていく様が本当にいいんですね。
人間観
主人公の望を通して観る人間というものも読みどころだと思います。
思慮深い望が手玉にとっていく様は少しこわくもあります。
端的に言えば上手く世を渡っていくのですが、背景にあるものが重いので、凄みが深いんですね。
失敗すれば後がない生き方であり、歴史上の人物が持つ鋭い人間観察の目は面白いものがあります。
歴史
この小説は、歴史上の出来事を丹念に追ったものです。(今さらですが。)
革命が起きる様子が分かります。
歴史から見える国家の有り様、終わっていく様は常に変わらない事なんじゃないかと思えました。
国の転覆の様は歴史上繰り返してきたことですが、古代中国から変わらないんですね。
おわりに
私としては、終わり方が少し意外でした。
もっと盛り上がったところで終わるようにイメージしていたので。
冒険の雰囲気そのままに一気に終わるのかな、と。
歴史が好きな人は楽しめる作品だと思います。
古代中国の雰囲気を想像しながら読むのが楽しいですね。