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書評のブログ。

【書評】「装丁物語(和田誠)」を読んでの感想

はじめに

本の装丁について和田誠さんが書かれた本です。
知っている本の表紙のデザインを和田誠さんがされていたということを知りました。
作家さんごとにどのような意図でデザインしてこられたのかを知れて、とても面白かったです。
本がとにかく好きな人に一度は読んでほしい本です。

プロダクトとしての本の解説、装丁のデザインのスキルについても書かれています。
本の装丁に興味を持つ機会はあまりないかもしれませんが、奥深さに驚かされます。
出版の形態に合わせたデザインや、装丁の歴史的な部分も書かれていて、とても興味深い内容となっています。

また、和田誠さんの装丁の仕事の経歴も知ることができます。
こちらも非常に興味深いものでした。

 

キーワード3選

村上春樹

村上春樹さんの本について書かれているということを知ったのが、この本を読むきっかけでした。
和田さんは、村上さんの全集のデザインをされていたんですね。
全集以外にも多くの本を手がけられていることを初めて知りました。
目にしていた本は多いんですが、和田さんのデザインとは認識していなかったんですね。
デザインの意図について知れたのはよかったです。

星新一

星新一さんといえば、真鍋博さんがデザインを多くされているそうなんですが、和田さんもデザインされています。
技術的なお話も合わせて書かれてまして、その点も面白かったですね。

色川武大

色川さんの全集も手がけていたということも初めて知りました。
意外な組み合わせと個人的には感じました。

印象に残った一冊

古典落語 志ん生集」

印象に残っていた本なので、和田誠さんということを知り、その幅の広さに驚きました。
シリーズもののデザインというテーマの中の一冊という位置づけではあるのですが、驚きもあって印象に残りました。

おわりに

興味のあった作家さんの本を本当にたくさん手がけていることを知りました。
この本もなのか、と何度も驚きました。そのことが一番印象に残ってます。

装丁のために本を読むと、本をゆっくり読めないというエピソードが好きでしたね。
本がお好きなんだな、というのが伝わってきました。

和田誠さんのデザインした丸谷才一さんのエッセイが読みたくなりました。