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書評のブログ。

【書評】「オリンピア1996 冠<廃墟の光>」(沢木耕太郎)読んでの感想


はじめに

1996年に開催されたアトランタオリンピックを取材したノンフィクション作品です。
旅行記であり、スポーツ観戦記です。
オリンピックの歴史を掘り下げ、歴史の中でのアトランタオリンピックの位置づけが見えてきます。
観戦に関しては、一日ごとの日記の形をとっており、現地での臨場感が伝わってきて、盛り上がりを体感できます。

また、オリンピックということで様々なスポーツが出てくるんですが、スポーツ全般の見方、楽しみ方を知れる作品でもあります。
20年以上前のオリンピックが主題であるものの、今の時代でも、スポーツの楽しみ方が通じる気がしてきます。

目次

キーワード3選

食べ物

食事のシーンが随所に出てくるんですね。
アトランタで食べるものに苦労している姿が描かれています。
旅先でおいしいものに出会った時の嬉しさが万人に共通であることが伝わってきます。

陸上競技

陸上競技の楽しみ方がわかります。
大舞台での陸上競技の盛り上がり方をしっかりと把握している沢木さんと視点を同じくして観戦しているですから、当然とも言えます。
最高の瞬間はなかなか観れないというのも印象的でした。

あとがき

私が読んだのは新潮文庫版でして、こちらでは2021年に書かれたあとがきが読めます。
20年以上経過した視点で書かれた文章も味わい深いです。
オリンピックが続いていることを実感できました。

おわりに

本編も読みごたえがあって、素晴らしいのですが、あとがきもぜひ読んでほしいです。
全てを通してオリンピックの見方が分かる一冊ではないかと思います。

スポーツがお好きな人にぜひ読んでほしいです。