はじめに
アンパンマンの作者、やなせたかしさんの自伝です。
やなせさんが、どんな方か詳しく知りたいと思い、本書を手にとりました。
目次
全体の感想
やなせたかしさんのファンには、読んで充実感の得られる一冊となっていると思います。
"想像と違った"というのが一読後の感想。
また、有名な方のお名前がたくさん出てきて、驚きました。
読み進めていくと、やなせさんの人生が少しずつアンパンマンの方向に向かっていくようでした。
青春時代、戦争、家族、人との出会い、仕事、詩、漫画、絵本。
アンパンマンには、全部が詰まっているのだな、と思えました。
本書に登場される方の中で印象に残った方、3名
本書に登場される方の中で印象に残った方、3名のお名前です。
1.手塚治虫さん
手塚治虫さんから劇場版アニメーションのキャラクターデザインを依頼されたエピソードが載っていました。
電話がかかってきて指名されたのだそうです。
この時に初めて、アニメーションのお仕事をされたというのにも驚かされます。
2.立川談志さん
漫画や絵本の関係ではなく、テレビ番組で共演されていたそうです。
お二人に接点があったのには驚きました。
立川談志さんの勉強家な一面が書かれていました。
3.永六輔さん
永六輔さんともお仕事をされていたそうです。
こちらは舞台だそうです。
やなせたかしさんのお仕事の幅の広さには驚くばかりです。
まだ、永六輔さんとの思い出では、アンパンマンが生まれる前のやなせさんの仕事へのスタンスが垣間見られます。
キーワード3選
やなせさんの自伝のキーワードだと思ったのは、以下の3点です。
- 戦争
- 会社員
- サンリオ
1.戦争
第2次世界大戦中に従軍されていた時代のエピソードがあります。
戦争の体験はどの方のものでも、辛いものです。
やなせさんの体験から、戦争の凄惨さが伝わってきました。
2.会社員
やなせさんは、独立される前に会社員をされていました。
会社員時代のやなせさんは若くて、つっぱっていたそうです。意外でした。
若気の至りとやなせさんも書かれていますが、不思議と親しみが湧いたように思います。
3.サンリオ
サンリオから出版されていた「詩とメルヘン」という月刊誌の編集にも携わっておられたそうです。
サンリオとのつながりがやなせさんにとっての転機であったことが書かれていました。
印象に残った文章
'逆転しない正義とは、献身と愛だ。'
戦争中に従軍されていたやなせさんの実感がこもっていると思います。
この哲学はアンパンマンにもつながっていると感じました。
アンパンマンをみたことがある人はそう思うような気がします。
おわりに
本書を読むと、やなせさんのお人柄がよく分かります。
本編も読みごたえのある本ですが、あとがきのやなせさんの言葉もすごくいいんです。
ぜひ多くの方に手にとってみて欲しい本です。