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書評のブログ。

2023-01-01から1年間の記事一覧

【書評】「アメリカ素描」(司馬遼太郎)を読んでの感想

はじめに 司馬遼太郎さんがアメリカを訪ねた際に書かれた、アメリカについての文章です。旅行記でもあるし、アメリカの社会の論評でもある。約40年前の内容なので、今とは違う面も多いとは思いますが、アメリカ社会の実態が伝わってくるものとなっています。…

2023年に読んで印象に残った本

2023年に読んで印象に残った本 雑文集(村上春樹) TAKE NOTES!(Sonke Ahrens) 北方の原形 ロシアについて(司馬遼太郎)

【書評】「リーダブルコード」を読んでの感想

プログラムを書く上で、読みやすくするために必要なことが書かれた本。気を付けるべき点が一通り載っています。しかし、ページ数はそこまで多くない。プログラミングの勉強を始めたら、一度は読むと良いのではないでしょうか。 個人的には、テストコードを書…

【書評】「この国のかたち 五」(司馬遼太郎)を読んでの感想

はじめに 司馬遼太郎さんの歴史評論集。歴史を中心に据えた、エッセイと思うと良いかもしれないです。作品を書く中で収集された知見が読みやすく書かれています。 目次 はじめに 目次 キーワード3選 看羊録 鉄 人間の魅力 おわりに キーワード3選 看羊録 ど…

【書評】「シドニー! ワラビー熱血篇」(村上春樹)を読んでの感想

"シドニー コアラ純情篇"に続く一冊ですね。シドニーオリンピック後半を取材した内容が書かれています。 オリンピックの日程が進んだことと、村上さんのオーストラリアでの生活が慣れてきたことで、コアラ純情篇とは雰囲気が違っているように思えました。 事…

【書評】「良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門 ―保守しやすい 成長し続けるコードの書き方」(仙塲 大也)を読んでの感想

ソースコードを書く上で気を付けるべきポイントが書かれた良い本だと思う。 C#を使って説明されているが、他の言語でも応用はできる。 コーディングで、おさえておきたいところが、たくさん載っている。 以下、読んで大切だな、と考えた点。 interfaceを使っ…

【書評】「誇り ドラガン・ストイコビッチの軌跡」(木村元彦)を読んでの感想

はじめに サッカーユーゴスラビア代表の名手であった、ドラガン・ストイコビッチについて書かれたノンフィクションです。活躍された選手だったことはよく知っていたのですが、詳しい経歴は知りませんでした。彼のプロサッカー選手として辿ってきたキャリアは…

【書評】「TAKE NOTES!」を読んでの感想

ニクラス・ルーマンという社会学者の方が考案したメモのとり方の方法論について書かれた本です。ご本人は、この手法を元に58冊の本と、数百本の論文を執筆したそうです。メモをとることが大切なのは、知っているつもりですが、なかなかいい方法は分からない…

【書評】「シドニー コアラ純情篇」(村上春樹)を読んでの感想

はじめに 村上春樹さんが2000年に開催されたシドニー・オリンピックについて書いた作品です。取材した日々のできごとを日誌のような形式で書いています。それ故、競技に入り込み過ぎることなく、客観的に軽い感じで書かれた印象。まあ、そうはいっても、選手…

【書評】「蹴る群れ」(木村元彦)を読んでの感想

世界中のサッカーに携わる人物について書かれたノンフィクションです。今でも名前を聞くことのある選手も出てきますし、歴史的な人物への取材のお話もあります。 サッカーを通して社会のリアルな状況を伝えています。取材の踏み込み方が深く、他のスポーツ・…

【書評】「歴史からの救出者(像が空をⅠ 夕陽が眼にしみる)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

チェーザレ・ボルジアの作品を中心にして塩野七生さんについて書かれた作品です。あまり読んでいないくせに、塩野さんの本は好きでして。ヨーロッパの歴史の深いところを知りたいと思ったら、塩野さんの作品をまずは手にとるといいんじゃないかと思っていま…

【書評】「雨のハノイ(沢木耕太郎ノンフィクション 4 オン・ザ・ボーダー)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに 沢木耕太郎さんのベトナムを訪ねた際の旅行記。年齢を重ねてからの旅行になっています。いろいろな経験を経ての旅なので落ち着いていますね。沢木さんが書いてきた文章が散りばめられていて、文章の世界が表れてくると一気にその雰囲気にくるまれま…

【書評】「せっかくこうして作家になれたんだもの レイモンドカーヴァーについて語る」(村上春樹)を読んでの感想

レイモンド・カーヴァーさんというアメリカの小説家について村上春樹さんが語るインタビューです。村上さんはレイモンド・カーヴァーの全ての作品を翻訳していたとのこと。カーヴァーさん本人に会ったこともあり、家族との交流もあったそうです。 インタビュ…

【書評】「うずまき猫のみつけかた」(村上春樹)を読んでの感想

はじめに 自分の生活との距離感が心地よいエッセイだと思うんですね。印象に残ったエピソードとして、村上さんが年末に車が盗まれたエピソードがあるんですが、かなり辛いできごとだと思うんですよ。外国だったとしたら、なおさらのことだな、と。他にも日本…

【書評】「雑文集」(村上春樹)を読んでの感想

はじめに 長い期間に渡って様々な媒体で書かれた短い文章が集められた本です。村上春樹さんの小説やエッセイをある程度の冊数読んだ後に手にとる本になるとは思います。ひらたく言えば、初心者向けではないんですが、すごく良質な本だと思います。村上さんの…

【書評】「オリンピア1996 冠<廃墟の光>」(沢木耕太郎)読んでの感想

はじめに 1996年に開催されたアトランタオリンピックを取材したノンフィクション作品です。旅行記であり、スポーツ観戦記です。オリンピックの歴史を掘り下げ、歴史の中でのアトランタオリンピックの位置づけが見えてきます。観戦に関しては、一日ごとの日記…

【書評】「キャパのパリ、あるいは長い一日(沢木耕太郎ノンフィクション 4 オン・ザ・ボーダー)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに 沢木耕太郎さんがパリを訪れた時の旅行記です。当時、ロバート・キャパの本の翻訳が終わったタイミングだったそうです。タイトルの通り、キャパとパリのつながりが書かれています。パリの雰囲気が伝わってくる文章となっています。華やかな印象もあ…

【書評】「雨(沢木耕太郎ノンフィクション 9 酒杯を乾して)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

F1レーサー、ニキ・ラウダを追ったノンフィクションの作品です。1976年に日本で初めて開催されたF1グランプリを描いたものです。その年のF1グランプリのレース中に大けがを負ったラウダ。驚異のスピードで復帰し年間1位を目指します。ラウダにとっては、ほぼ…

【書評】「杯(カップ)(沢木耕太郎ノンフィクション 9 酒杯を乾して)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに サッカーのワールドカップと旅について書かれた作品です。取材されているのは、日韓ワールドカップ。日本と韓国を往復し、感じたことが書かれています。サッカーだけでなく、人との出会い、社会への洞察が描かれています。一緒に旅しているような感…

【書評】「装丁物語(和田誠)」を読んでの感想

はじめに 本の装丁について和田誠さんが書かれた本です。知っている本の表紙のデザインを和田誠さんがされていたということを知りました。作家さんごとにどのような意図でデザインしてこられたのかを知れて、とても面白かったです。本がとにかく好きな人に一…

【おすすめ】向田邦子さんのエッセイ5選

向田邦子さんのエッセイで個人的に好きで、おすすめの5編を集めました。箇条書きで感じたところなどを。 中野のライオン/新宿のライオン 「食らわんか」 手袋を探す 字の無い葉書 ごはん 中野のライオン/新宿のライオン 東京でライオンを観るという信じがた…

【書評】「像が飛んだ(沢木耕太郎ノンフィクション 9 酒杯を乾して)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに ジョージ・フォアマンが42歳でボクシングにカムバックした際のスポーツノンフィクションです。じっくりと時間をかけて、タイトルマッチに挑む姿が印象的です。 対戦するイベンダー・ホリフィールドの雰囲気も合わさって、浮ついたところのない試合…

【書評】「俳優のノート」(山崎努)を読んでの感想

はじめに 俳優の山崎努さんがリア王の公演の前に記録した日記です。日記ということで、日常がまず伝わってきます。リア王を理解しようとする過程が、日常と合わせて書かれているんですね。演劇とどう向き合っているのかということがよく分かる内容となってい…

【書評】「オリンピア ナチスの森で」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに 1936年に開催されたベルリンオリンピックを描いたノンフィクションです。競技のみでなく、歴史、科学技術、そしてオリンピックを記録した映画の監督、レニ・リーフェンシュタールについても書かれています。総合的にベルリンオリンピックを書いてい…

【書評】「ステーキを下町で」(平松洋子)を読んでの感想

はじめに 平松洋子さんの旅とおいしいものについて書かれたエッセイです。食材とお店にフォーカスされています。 文章と合わせて載っている谷口ジローさんの漫画でお店と料理の雰囲気が描かれています。雰囲気が伝わってきていいんですね。 文章と漫画が相ま…

【書評】「昼のセント酒」(久住昌之)を読んでの感想

はじめに 久住昌之さんの銭湯と居酒屋について書かれたエッセイです・頭が雑多なことでいっぱいになった状態から解放された感覚と、風呂につかった時のそれというのは、すごく近いんじゃないか。そう思わせてくれます。 風呂の良さと合わせて、細か点に気づ…

【書評】「ニッポン線路つたい歩き」(久住昌之)を読んでの感想

はじめに 久住昌之さんの紀行エッセイです。タイトルの通り、線路をつたって歩く旅となっています。 移動手段が徒歩のため、描かれる距離は短いんですね。じっくりと歩いて時間を過ごすことで、見える風景を久住さんらしい視点で書かれています。明確な目的…