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【書評】「キャパのパリ、あるいは長い一日(沢木耕太郎ノンフィクション 4 オン・ザ・ボーダー)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに

沢木耕太郎さんがパリを訪れた時の旅行記です。
当時、ロバート・キャパの本の翻訳が終わったタイミングだったそうです。
タイトルの通り、キャパとパリのつながりが書かれています。
パリの雰囲気が伝わってくる文章となっています。
華やかな印象もあったパリですが、暗さが伝わってきます。
パリが生活していた当時のパリの描写がまた、暗いんですね。
キャパの人生にとってのパリがどういったものだったのかが伝わてきたように思います。

目次

キーワード3選

リチャード・ウィーラン

リチャード・ウィーランの本を翻訳していたそうです。
エピソードもいくつか語られていまして、読んでみたくなりました。
ノルマンディー上陸からパリの解放に立ち会ったエピソードが印象的です。

食事

旅先で何を食べるかを考えている時間で必ずあると思います。
この作品の中では、旅先の食事の寂しさが書かれています。
文章の中で食べ物が出てくると、少し気持ちが変わります。
旅行記の中に食べ物が出てくるといいなと思います。

12月

キャパのイメージが12月の寒さと重なるように感じました。
実績と人からの注目を集めた生き方をしていたことはよく知られていると思います。
明らかにその裏にあった影がみてとれるんですね。
パリでの生活を想像すると、それが色濃く感じられるように思いました。
旅の筆致でキャパの雰囲気が伝わってくる作品ではないかと思います。

おわりに

ロバート・キャパに関する本を読みたくなる作品です。
沢木さんの旅行記が好きな方はもちろん、ロバート・キャパについて興味のある方にも読んでいただきたいです。