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書評のブログ。

【書評】「雨(沢木耕太郎ノンフィクション 9 酒杯を乾して)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

F1レーサー、ニキ・ラウダを追ったノンフィクションの作品です。
1976年に日本で初めて開催されたF1グランプリを描いたものです。
その年のF1グランプリのレース中に大けがを負ったラウダ。
驚異のスピードで復帰し年間1位を目指します。
ラウダにとっては、ほぼ手中におさめたチャンピオンの座を争う場であったレースです。
そこに、2位で追いかけるジェームス・ハントがいます。
2人にとって、レースの成績が年間の順位を決める重要な局面となっています。

当時観戦していたとしたら、純粋にラウダの姿に注目してしまうと思うんですね。
実際には、雨のレースの序盤にラウダは途中リタイアしてしまうのですが。

あまりにも劇的過ぎて、圧倒されてしまいました。
沢木さんの視点に寄り添い、読み進めることで、このレースの意味するところがはっきりと分かるように思えました。
大げさかもしれませんが、スポーツ観戦の方法を教えてもらったような感覚になった作品です。