Book Review Storage

書評のブログ。

村上春樹

【書評】「本当の翻訳の話をしよう 増補版 (新潮文庫)」(村上春樹、柴田元幸)

翻訳について、村上春樹さんと柴田元幸さんが語り合った内容を中心にまとめた本になります。アメリカ文学からの翻訳作品についての考察、翻訳の技術論、日本における翻訳文学の歴史と内容はかなり盛沢山です。翻訳という者の全体像、文化として翻訳がどうい…

【書評】「シドニー! ワラビー熱血篇」(村上春樹)を読んでの感想

"シドニー コアラ純情篇"に続く一冊ですね。シドニーオリンピック後半を取材した内容が書かれています。 オリンピックの日程が進んだことと、村上さんのオーストラリアでの生活が慣れてきたことで、コアラ純情篇とは雰囲気が違っているように思えました。 事…

【書評】「シドニー コアラ純情篇」(村上春樹)を読んでの感想

はじめに 村上春樹さんが2000年に開催されたシドニー・オリンピックについて書いた作品です。取材した日々のできごとを日誌のような形式で書いています。それ故、競技に入り込み過ぎることなく、客観的に軽い感じで書かれた印象。まあ、そうはいっても、選手…

【書評】「せっかくこうして作家になれたんだもの レイモンドカーヴァーについて語る」(村上春樹)を読んでの感想

レイモンド・カーヴァーさんというアメリカの小説家について村上春樹さんが語るインタビューです。村上さんはレイモンド・カーヴァーの全ての作品を翻訳していたとのこと。カーヴァーさん本人に会ったこともあり、家族との交流もあったそうです。 インタビュ…

【書評】「うずまき猫のみつけかた」(村上春樹)を読んでの感想

はじめに 自分の生活との距離感が心地よいエッセイだと思うんですね。印象に残ったエピソードとして、村上さんが年末に車が盗まれたエピソードがあるんですが、かなり辛いできごとだと思うんですよ。外国だったとしたら、なおさらのことだな、と。他にも日本…

【書評】「雑文集」(村上春樹)を読んでの感想

はじめに 長い期間に渡って様々な媒体で書かれた短い文章が集められた本です。村上春樹さんの小説やエッセイをある程度の冊数読んだ後に手にとる本になるとは思います。ひらたく言えば、初心者向けではないんですが、すごく良質な本だと思います。村上さんの…

【書評】「走ることについて語るときに僕の語ること」(村上春樹)を読んでの感想

はじめに 村上春樹さんが、ご自身のランニングの経験を書き綴ったものになります。練習や、参加したレースについて、また、走ることと小説家としての生活とのかかわりについて書かれています。一遍ごとのつながりはあまりなく、テーマごとに書かれている印象…

【書評】「ラオスにいったい何があるというんですか?」(村上春樹)を読んでの感想

はじめに 村上春樹さんの旅行記がまとまった本です。旅先は国内から外国まで様々です。 一つ一つが短くまとまっていて、読みやすいですね。 この本のテーマの一つは、再訪と再会だと思います。一度、住んだ場所を訪れたり、旧知の知り合いと旅をする。2回目…

【書評】「ポートレイト・イン・ジャズ」(村上春樹・和田誠)を読んでの感想

はじめに 有名なジャズミュージシャンについて村上春樹さんによって書かれた本です。和田誠さんの絵と文章が一緒に載っています。村上さんのジャズへの造詣の深さに本当に驚かされます。ミュージシャンの紹介という側面も当然ありますが、村上さんの感じたこ…

【書評】「遠い太鼓」(村上春樹)を読んでの感想

はじめに 村上春樹さんが1980年代後半にヨーロッパに滞在していた時に書かれた旅行記です。当時書いていた小説として、「ノルウェイの森」、「ダンス・ダンス・ダンス」が出てきます。小説を書いていた時期の心境を知ると、やっぱり読んでみたくなりますね。…

【書評】「やがて哀しき外国語」(村上春樹)を読んでの感想

はじめに 村上春樹さんがアメリカに滞在されていた時期にかかれたエッセイを集めた本です。1990年頃のアメリカの話になります。 村上春樹さんのエッセイの中でも、海外での暮らしのエッセイはより楽しめるものになっていると思います。気軽に読めて、当時の…