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書評のブログ。

エッセイ

【書評】「するりベント酒」(久住昌之)を読んでの感想

はじめに 久住昌之さんがコロナの時期に書いた、弁当とお酒について書かれた食事に関するエッセイです。 目次 はじめに 目次 キーワード3選 日記的であること コロナの時期であること 移動 おわりに キーワード3選 日記的であること ページを捲るごとに、日…

【書評】「うずまき猫のみつけかた」(村上春樹)を読んでの感想

はじめに 自分の生活との距離感が心地よいエッセイだと思うんですね。印象に残ったエピソードとして、村上さんが年末に車が盗まれたエピソードがあるんですが、かなり辛いできごとだと思うんですよ。外国だったとしたら、なおさらのことだな、と。他にも日本…

【書評】「装丁物語(和田誠)」を読んでの感想

はじめに 本の装丁について和田誠さんが書かれた本です。知っている本の表紙のデザインを和田誠さんがされていたということを知りました。作家さんごとにどのような意図でデザインしてこられたのかを知れて、とても面白かったです。本がとにかく好きな人に一…

【おすすめ】向田邦子さんのエッセイ5選

向田邦子さんのエッセイで個人的に好きで、おすすめの5編を集めました。箇条書きで感じたところなどを。 中野のライオン/新宿のライオン 「食らわんか」 手袋を探す 字の無い葉書 ごはん 中野のライオン/新宿のライオン 東京でライオンを観るという信じがた…

【書評】「ステーキを下町で」(平松洋子)を読んでの感想

はじめに 平松洋子さんの旅とおいしいものについて書かれたエッセイです。食材とお店にフォーカスされています。 文章と合わせて載っている谷口ジローさんの漫画でお店と料理の雰囲気が描かれています。雰囲気が伝わってきていいんですね。 文章と漫画が相ま…

【書評】「ニッポン線路つたい歩き」(久住昌之)を読んでの感想

はじめに 久住昌之さんの紀行エッセイです。タイトルの通り、線路をつたって歩く旅となっています。 移動手段が徒歩のため、描かれる距離は短いんですね。じっくりと歩いて時間を過ごすことで、見える風景を久住さんらしい視点で書かれています。明確な目的…

【書評】「かきバターを神田で」(平松洋子)を読んでの感想

はじめに 平松洋子さんの食べ物に関するエッセイ集です。短い作品がたくさん入っているのですが、出てくる食べ物が食べたくなる本です。食べ物が多彩で次から次へと楽しめます。馴染みの薄い食べ物なんかも出てきますね。 話題が料理のものもあり、こちらは…

【書評】「走ることについて語るときに僕の語ること」(村上春樹)を読んでの感想

はじめに 村上春樹さんが、ご自身のランニングの経験を書き綴ったものになります。練習や、参加したレースについて、また、走ることと小説家としての生活とのかかわりについて書かれています。一遍ごとのつながりはあまりなく、テーマごとに書かれている印象…

【書評】「遠い太鼓」(村上春樹)を読んでの感想

はじめに 村上春樹さんが1980年代後半にヨーロッパに滞在していた時に書かれた旅行記です。当時書いていた小説として、「ノルウェイの森」、「ダンス・ダンス・ダンス」が出てきます。小説を書いていた時期の心境を知ると、やっぱり読んでみたくなりますね。…

【書評】「やがて哀しき外国語」(村上春樹)を読んでの感想

はじめに 村上春樹さんがアメリカに滞在されていた時期にかかれたエッセイを集めた本です。1990年頃のアメリカの話になります。 村上春樹さんのエッセイの中でも、海外での暮らしのエッセイはより楽しめるものになっていると思います。気軽に読めて、当時の…

【書評】「海苔と卵と朝めし(夜中の薔薇)」(向田邦子)を読んでの感想

はじめに 向田邦子さんの子供の頃の食べ物について書かれたエッセイです。朝ごはんの光景が描かれます。自分はその場にいないのに、何故か見たことがあるような気になってしまいます。バタバタしたエピソードが語られているのに、おちついた雰囲気も感じられ…

【書評】「写す人(霊長類ヒト科動物図鑑)」(向田邦子)を読んでの感想

はじめに 向田さんが写真について書いたエッセイです。写真を撮る側になった際に見えた風景を描写しています。独特の視点で写真について語る楽しい一遍です。 目次 はじめに 目次 キーワード3選 動物 旅 写真 印象に残った文章 おわりに キーワード3選 動物 …

【書評】「なかんずく(霊長類ヒト科動物図鑑)」(向田邦子)を読んでの感想

はじめに 向田邦子さんが子供と言葉について書いたエッセイです。言葉への感覚が独特で、かつ鋭いんですね。分かるなあと、うなづきながら読める一遍です。 目次 はじめに 目次 キーワード3選 言葉を覚える、使う、繰り返す 英語を学ぶ 言葉 印象に残った文…

【書評】「寸劇(霊長類ヒト科動物図鑑)」(向田邦子)を読んでの感想

はじめに 向田邦子さんのエッセイの一遍です。日本人らしい気の回し方を丹念に描いた作品になります。 目次 はじめに 目次 全体の感想 キーワード3選 客 食べ物 楽しむコツ 印象に残った文章 おわりに 全体の感想 向田さんらしいなというのが第一の印象です…

【書評】「私だけの教科書(像が空をⅢ 勉強はそれからだ)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに 沢木耕太郎による、ノンフィクションについての技術論とも言えるエッセイです。タイトル通りに教科書として、沢木さんが読んだ本が紹介されています。 沢木さんのエッセイには、技術論が書かれているものがいくつかあるのですが、その中の一編にな…

【書評】「味醂干し(眠る盃)」(向田邦子)を読んでの感想

はじめに 味醂干しを題材にしたエッセイです。食べ物を取り扱った向田さんの文章はどれも楽しいのですが、食べ物が魅力的に描かれているものになっていると思います。個人的には、書かれている食べ物を一番食べてみたくなった一遍です。 目次 はじめに 目次 …

【書評】「奇妙なワシをめぐって(像が空をⅢ 勉強はそれからだ)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに 「奇妙なワシ」というエッセイの後日譚になる一遍です。エッセイが連なるように書かれていることが時々あると思うのですが、続きを読む楽しさも独特なものです。 語り口が軽妙で、日記のような雰囲気です。 目次 はじめに 目次 全体の感想 キーワー…

【書評】「苦い報酬(像が空をⅠ 夕陽が眼にしみる)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに 本作品は、沢木耕太郎さんによるトルーマン・カポーティについての論評ともいうべきものです。私は、トルーマン・カポーティという作家をこの文章で初めて知りました。うっすらと知っていた「ティファニーで朝食を」という小説の作者であることと、…

【書評】「中野のライオン(眠る盃)」(向田邦子)を読んでの感想

はじめに タイトルからは、どんな内容か想像がつきませんでした。(向田さんのエッセイはこのようなタイトルが多いようにも思いますが。。。)一読してみると、じっくりと読めるエッセイでした。 非常に共感できる内容ですし、また向田さんの体験したできご…

【書評】「学生アイス(父の詫び状)」(向田邦子)を読んでの感想

はじめに 読む前には、タイトルが印象的だなと思っていました。書き出しのアイスクリームがフランスに伝わったエピソードから徐々に引き込まれて一気に読んでしまいました。すうっと流れるような味わいのエッセイです。 目次 はじめに 目次 全体の感想 キー…

【書評】「記念写真(父の詫び状)」(向田邦子)を読んでの感想

はじめに 本作品は、記念写真にまつわるエッセイです。向田さんの家族や、子供時代、学生時代の思い出が次々に描かれます。 目次 はじめに 目次 全体の感想 キーワード3選 笑顔 お祖父さん 恩師 印象に残った文章 おわりに 全体の感想 一読後の印象としては…

【書評】「海苔巻きの端っこ(父の詫び状)」(向田邦子)を読んでの感想

はじめに 本作品は、少し変わった視点からの食べ物についてのエッセイです。パンの耳のような食べ物のメインではないところが好きということについて書かれています。向田さんの手にかかると、一緒に様々な思い出が描かれます。すごく自然ですっと読める内容…

【書評】「持てる者と持たざる者と(象が空をⅡ 不思議の果実)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに この1篇は、競輪の新人選手向けの講演を文章化した形となっています。語りかける様な文章なんですね。講演の内容を読めるというのは、貴重なのではないかなと思います。エッセイ集の中で文体が急に変わって、驚いた思い出があります。少し、異色な1…

【書評】「自己の再生という幻想(象が空をⅡ 不思議の果実)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに この1篇は、沢木耕太郎さんが映画を観て書かれたエッセイとなっています。沢木さんは、映画の評論も多く書かれています。個人的にはこの1篇はそれらよりも少しライトなものになっていると思います。ただし、内容が軽いという意味ではありません。映…

【書評】「思い出溢れる町、神保町(昼のセント酒)」(久住昌之)を読んでの感想

はじめに 「昼のセント酒」はテレビドラマを観て、読みたいなと思って、手に取りました。内容はエッセイになります。テレビドラマとは違ったコンテンツになっていると思います。 この作品は、神保町と久住さんの思い出も書かれているんです。思い出をとりこ…

【書評】「ポーカー・フェース」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに 「バーボン・ストリート」、「チェーン・スモーキング」につづく沢木耕太郎さんのエッセイ集です。本書は、2011年に刊行されています。前の2冊に比べると、最近に書かれたものです。(もう10年以上前ではあるのですが。)書かれている映画が見知っ…

【書評】「バーボン・ストリート」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに 講談社エッセイ賞を受賞された沢木耕太郎さんのエッセイ集です。 単行本は、1984年に書かれた本ですから、30年以上前の本なんですね。よみごたえのあるエッセイは古びないんじゃないかと、本書を読んで思いました。 目次 はじめに 目次 全体の感想 …

【書評】「チェーン・スモーキング」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに 本書は、沢木耕太郎さんのエッセイ集です。沢木さんは深夜特急で有名な作家さんですね。エッセイ集も多く出版されてまして、その中の1冊となっています。 私が沢木さんの文章に触れたのはエッセイからでした。深夜特急をはじめとする旅行記、スポー…

【書評】「七色とんがらし(無名仮名人名簿)」(向田邦子)を読んでの感想

はじめに 「七色とんがらし」は、向田邦子さんの「無名仮名人名簿」というエッセイ集に所収されている一篇です。「父の詫び状」を読んで、向田邦子さんのエッセイが好きになり、他のエッセイ集も読んでみたいと思ったのがきっかけです。かなり期待して読みま…

【書評】「ごはん(父の詫び状)」(向田邦子)を読んでの感想

はじめに 「ごはん」は、「父の詫び状」に所収されている一篇です。著者の向田邦子さんは、有名な放送作家だった方ですね。 目次 はじめに 目次 全体の感想 キーワード3選 1.畳の上 2.とっておきの白米 3.昼寝 印象に残った文章 おわりに 全体の感想 向田さ…