はじめに
向田さんが写真について書いたエッセイです。
写真を撮る側になった際に見えた風景を描写しています。
独特の視点で写真について語る楽しい一遍です。
目次
キーワード3選
動物
外国の動物園の写真を撮影する際の描写です。
人工的な空間で飼われている猛獣の姿が何だか物悲しいんですね。
人の心の細やかな機微をとらえるのと同様に動物園という場所の本質も描き出しているような文章です。
旅
旅は写真を撮る機会が多いものです。
向田さんも旅の中で写真を撮っていたようです。
旅行者が入り込めない空気感を淡々と描いています。
写真
日本人に写真が馴染むまでの時間について書いています。
向田さんの年代の方だと、写真について多くを感じていたのだろうな、と思います。
当たり前でなかったものが、当たり前になっていくことを多く見てきたのだと思います。
その一つに写真があったのだな、と。
印象に残った文章
'...私が虎なら、その場で脱走してみせます、という代物であった。'
タイの動物園の虎の檻を評しての一文です。
軽妙で、何だかいいんです。
脱走してみせます、という言い回しが好きですね。
おわりに
さらっと読める、一遍です。
旅のエッセイですが、写真を撮るという部分で独特のアクセントが入っていますね。
疲れたときに軽く読める作品ではないでしょうか。