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【書評】「雨のハノイ(沢木耕太郎ノンフィクション 4 オン・ザ・ボーダー)」(沢木耕太郎)を読んでの感想

はじめに

沢木耕太郎さんのベトナムを訪ねた際の旅行記
年齢を重ねてからの旅行になっています。
いろいろな経験を経ての旅なので落ち着いていますね。
沢木さんが書いてきた文章が散りばめられていて、文章の世界が表れてくると一気にその雰囲気にくるまれます。
楽な気持ちで読み始められて、気が付くと文章の流れに夢中になるような作品です。

 

目次

 

キーワード3選

年齢

年齢を感じさせる描写があります。
若い方が旅はいい。そんなことも言われると思うんですが、年齢を重ねての旅もいいもんなんだなと。
出会うものへの新鮮な感覚は、まあ少しは減っていくんだと思います。
その分というか、そこからくる落ち着きも良さがきっとあるんじゃないかなと思うんですね。

食べ物

おいしい食べ物があるだけで、旅はよいものになりますね。
沢木さんの旅行記にも食べ物が多く出てきます。
知らない土地で食べる時には、期待と不安が入り混じります。
口に合った食べ物があるというだけで、落ち着いて旅ができる感覚は何だか分かるなあ、と。

手紙

沢木さんの旅と言えば、手紙が欠かせないと個人的には思っています。
本当にうまく手紙が出てくるんですね。
旅先から手紙を出すというのをここまで自然に格好よくできる人がいるんだなあ、といつも感心してしまいます。
深夜特急を思い出しました。

おわりに

ベトナムなんだけど、沢木さんの本によく書かれている人物が多く出てきます。
旅先でもライフワーク的な要素と離れられないというか、いつも思い巡らせているからそうなってしまうというのか。
沢木さんの旅行記がお好きな人にぜひ、読んでいただきたい作品です。